鍼灸治療の前に

 

 少し大上段の切り出しですが、最近の報道によれば国民の医療費が40兆円を超えたと指摘されています。国の予算の1/3を超えているわけですから大変な社会状況です。

 一方、私自身を含めて、また私の周囲を見渡すと、一見健康体でありながら、内実は様々な不定愁訴を抱え、日常の仕事に精励されているのが大方の現実ではないでしょうか。朝起きる時、肩こり、腰痛、膝痛、慢性疲労などで身もだえする経験がありませんか?誰しも一度や、二度のことではないと思います。私の身近にも年齢に関係なく何人もの同僚が悩まされているのを見てきました。偏頭痛などで職場の陰でうつぶしている姿はとても他人事とは思えない現実でした。

 こんな時、日常的なケアとしてお灸の役目があるように思います。私が子どもの時代、明治生まれの祖父、祖母がお互いに大きなモグサを背中や腰に据える光景を目にしてきました。子ども目線で不思議な光景でした。日常の生活環境の中で、普通の「なりわい」のような所作でお灸がなされていたからです。いわば伝統的に伝わるケアする手段が、どこの家庭にもあったのだと思います。

 こんな光景が現代の社会にあったらいいと思いませんか?

 

 その意味で、陶灸ギャラリーでは、通常の鍼灸治療とは別立てで「お灸のお役立ち」を念頭に置いています。そのためのお手伝いができればと思っています。いい時代になりました、とても楽にお灸ができる状況です。昔のようにモグサをひねらずとも、台座灸が工夫されているからです。後はツボの位置をつかめば、セルフケアができるからです。

 「左手にお灸、右手に自作のCafeマグ」、こんな感覚にならないかな?、と日々思っています。

 

                            ~ 陶灸ギャラリー  主(あるじ)の想い